ウェーバーのこと 2 クラリネット協奏曲第2番第3楽章

今日はこちらの動画を鑑賞しています。


 イタリアの名手アレサンドロ・カルボナーレが演奏するウェーバーのクラリネット協奏曲第2番第3楽章です。シンプルで軽やかながらもカンタービレが美しいのはイタリア人ならではなのかなぁと思います。

 この曲の楽譜は大きく分けて2種類、ウェーバーによる原典版と初演者ハインリヒ・ベールマンの息子カール・ベールマンによるものがあります。装飾音符やアーティキュレーションに違いがみられるため、その選択は奏者の解釈に任せられます。


 カルボナーレの演奏で、すぐに気づくのは37小節目からのトリルの扱いについて。


 こちらはEulenburg社のカールバージョンでIMSLPで見ることができます。このように演奏されることが多いように思います。

 Henle社の原典版を参照するとフォルテなし、アクセントなし、トリルなし。この3小節間全体にスラーがかかっておりdoloceの指示もある。カルボナーレは原典版を重視しています。

 カールバージョンは1871年のものでウェーバーのすでに死後である。しかし父ハインリヒと共演経験もある息子の楽譜は無視できない。難しい。

 それでもやっぱり原典版を尊重すべきというのが今の私の見解ですが、数年後にはまた変わっているかもしれません。

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