ローズのこと
ローズの32の練習曲を編纂したシリル・ローズ(1830-1902)について、うろ覚えだったので調べ直しました。
フランス人クラリネット奏者で、その師はイアサント・クローゼ。1847年にパリ音楽院で1等を獲得し卒業後、1857年から1891年の間はパリ・オペラ座管弦楽団で活躍したそうです。1880年から1900年は母校パリ音楽院の教授も務めています。弟子にはルイ・カユザックやポール・ジャンジャンら、フレンチ・クラリネットの系統を築いてきた奏者たちが連なります。
練習曲の表紙にある「フェルリングによる」という表記、高校生の頃は全く気にしていませんでしたが、フランツ・ヴィルヘルム・フェルリング(1796-1874)というドイツのオーボエ奏者です。オーボエのための48の練習曲op.31から抜粋してクラリネット用にしたものがローズの32の練習曲です。オーボエ版がIMSLPで見られます。クラリネットよりも大分音域が高く調性も異なるし、装飾が多い印象です。
同じく表紙の改訂者「ピエール・ルフェーブル」もクラリネット奏者です。20世紀半ばに活動したウーブラドゥ木管五重奏団のメンバーです。演奏動画を見つけました。
ギャルド・レピュブリケーヌはフランスの軍隊で付属の音楽隊があり、その吹奏楽団は世界最高峰の1つとされています。
コンセール・ラムルーは1881年に創設されたオーケストラで、今も残っているパリのオーケストラとしては老舗団体になると思います。ピエール・ルフェーブルはこの2つの楽団でも首席奏者を務めたようです。
「楽譜に書いてあることは何にでも興味を持ちなさい」というどこかの偉い先生の言葉を聞いたことがあります。その昔は遠方からレッスン来た子供が最初の発想用語の意味が分からないと答えただけで、楽器を弾かせず追い返した厳しい先生もいたようですが…学生の頃は何の気なしに楽器ばかり吹いていましたが、楽譜と向き合うこと、大事です。
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