フィンジ:5つのバガテル
今年のリサイタルの幕開けは前奏曲から、元気よく幕を開けます。
バガテルという単語は「ちょっとしたもの」という意味。「つまらないもの」という訳もあるそうですが、日本人の心で「つまらないものですが…」と差し出すなんてとんでもない、「こんなに良いものあるよ!」と皆に言って回りたいような曲たちです。
I.前奏曲 Prelude
ハ長調の音階が行ったり来たり、ひょこっと飛んでステップを踏んでいきます。中間部は何か懐かしむようなメロディを歌い、軽快な音階へ舞い戻ります。
II.ロマンス Romance
黄昏れるように語っていきます。中間部は幾分歩みが早くなり回想シーンのようです。最初のテーマに戻る時には高い声、少しばかり心が晴れたかのよう。
III.キャロル Carol
朗らかな讃美歌。こんなに優しい歌はなかなかありません。
IV.フォルラーナ Forlana
センチメンタルにたゆたう曲。フォルラーナとはイタリア由来の舞曲で本来は速いテンポですが、ここではゆったり目に、流れに身を任せる。
V.フゲッタ Fughetta
潔い序奏の後、クラリネットの付点のリズムでフーガのテーマがスタート。フーガというとかしこまった作品が多い印象ですが、フィンジのそれは様々なキーに転調して、あちこち遊んで、大忙し!
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